お雑煮やお節料理は、年に一度しか食べないお料理で特別感がありますね。
お節料理は、三が日に女性が台所に立たなくても良いように、縁起物を日持ちのする調理法で作り置きするものであるというイメージがあると思います。(本来の由来は諸説あります)
ではお雑煮にはどんな由来や風習があるのでしょうか?
一部では「お雑煮は男性が作るもの」という風習もあると聞きました!
意外だったので詳しく調べてみました。
お雑煮は男性が作るもの?
一部の家庭ではお雑煮は男性、特に一家の大黒柱が作るという風習があるといいます。
なぜこういった風習があるのか、由来は諸説あるようです。
次の項目で由来としてメジャーなものをいくつか挙げてみたいと思います。
お雑煮にまつわる風習で男性が作るというのは地域的なもの?
まず、神道の古い習わしで、元旦の神事は全て男性がやる、というものがあります。
風習のひとつに「若水を汲む」というものがあり、若水とは新年に初めて汲む水のことで、これを飲むと1年の邪気が祓えるといわれています。
これを井戸から汲み、神棚に供えるのが男性の仕事だったそうです。
お雑煮も神様と深い関わりのある食べ物で、かつてお米が農民にとって大変な贅沢品だった頃、餅は「神様の力が宿り祝福を受けた食べ物」と言われていました。
年神様に捧げられた餅や収穫物を、その家の主である男性が煮たものが「お雑煮」と呼ばれるようになったそうです。
次に、お雑煮は元来、武家社会の料理であり、餅や野菜、乾燥食品などを一緒に煮込んだ「野戦料理」だったという説もあります。
武士が作る料理であったことから、正月のお雑煮文化もそれを引き継いだものと言われています。
具材や味付けが地域によって違うのも、当時の武将の好みが影響したからだという説があります。
そう言われると思わず納得してしまいますね。笑
また、年末に忙しく働いた女性に休んでもらうため、と言い伝えられている地域もあるようです。
おそらく時代の変化とともに言い伝えも変わっていったのではないかと思います。
お正月に女性が大所に立ってはいけない?
現在ではこういったことはあまり表立って言わない方が良いのかもしれませんが、女性は汚れがあるので三が日の内は台所に立ってはいけない、という説もあるそうです。
他にも、
- 包丁で野菜などを切る行為は「縁を切る」ということに繋がるため三が日は女性が包丁を握ってはいけない。
- 火の神が荒ぶるので女性が煮炊きをしてはいけない。かつては男性が囲炉裏(いろり)で雑煮を作っていた。
など、伝わっている地域や家系ごとに様々な言い伝えがあります。
いずれも縁起を担いだり、神道に根ざした考え方だったりするようです。
まとめ
あまりにも諸説ありすぎて、どうまとめるかも悩んだくらいですが…
現在日本に残っている古い風習のほとんどは、由来にこだらわず継承していくこと自体が大切とされていたり、時代に合わせてかたちを変えていたりします。
お雑煮を男性が作るという風習も、一家の主人がその味を継承していくということ自体が大切なのかもしれません。
近年は料理男子、育メンという言葉も流行ったりして、料理上手な男性や積極的に家事をする男性も増えているようですし、お正月に奥さんはゆっくり休んで、旦那様がお雑煮を作るという風景はとっても素敵だと思います♪